【完】ヴァンパイアとチョコレート

「さぁ、ここがピクシーの森だよ!」

しばらく二人で歩き、アンバートが足を止めた。

そこは森は深い緑に覆われていてとても静かだった。

アンバードは懐から革袋を取り出した。

「こうやってこの飴をばらまくと……」

アンバードが小さな飴を空中に放る。

するとどこからともなく、手のひらサイズのピクシーたちが集まってきた。

「わ……!」

赤、青、黄色、オレンジ、紫……と様々な色の髪をしたピクシーが飴を求めて飛び回る。

きらめく小さな4枚の羽根は半透明でガラス細工のように美しい。

「ほーら、こっちだよー」

アンバードがさらに飴を放る。