何もない砂漠のような場所。

時折舞い上がる粉塵。

薄暗く、さみしい場所だ。

遠くに建物らしきものが見える。

(あれがヴァンパイアのお城……?)

時折冷たい風が吹いてミーナの髪をなぶっていって、思わず身をすくめた。

(人間界とは空気が違う……)

どこか重たい空気はミーナを落ち着かない気持ちにさせた。

「さーて、どこに行こうか?
そうだ、ゾンビ狩りにはどう?」

アンバードは楽しそうに言ってミーナの手を引く。

(ゾ、ゾンビ……?)

思わず想像してぶるぶると首を振る。

「あ、ゾンビは嫌い?んー……じゃあ、ピクシーはどう?」

「ピクシー?」

「妖精さんだよ♪とってもキレイなんだよ」