腕をつかむ力が強くてミーナは不安になる。

 『アイツに近づくな』

ライルの言葉が脳裏をよぎった。

「ミーナちゃん、魔界案内をしてあげる♪」

そう言うとアンバードはひらりと窓から飛び降りると、7階から地上へまっさかまさに落ちていく。

「!?」

ミーナは反射的にアンバードの服につかまり目をつむったーー。

「ミーナちゃん、ついたよ」

エレベーターに乗っているような浮遊感がして、ミーナは恐る恐る目を開ける。

そこは薄くもやのかかった世界だった。

「……ここが魔界……?」

あっという間に人間界から魔界へ移動していた。

ゆっくりと地面に降り立つ。

ミーナは目の前の光景に目を奪われた。