「ふふっどうしたの?そんなに驚いて?」

アンバードはひょいと窓枠から飛び降りてミーナの傍にやってくる。

「えっと……」

ミーナは戸惑いを隠せない様子でアンバードを見つめた。

赤い瞳は昨日と同じ血の様な色で、薄暗い部屋でも輝いている。

「ここってライ君の部屋なんだよね?どうしてミーナちゃんがここにいるのかな?」

口調は明るいがその言葉には棘が含まれていた。

赤い瞳が咎(とが)める様に細められる。

「それは……あの……」

ミーナはそのただならぬ様子に口ごもっていると、

「ま、いっか!さ、こっちにおいで」

とアンバードはにっこりと笑ってミーナの腕を掴んだ。