「パス?それって三者面談をしないって事?」

「俺のオヤジはヴァンパイアだし母さんはいない」

ライルは表情を変えずにそう言う。

「アイツが……殺したんだ」

ライルはミーナにも聞こえないくらいに小さく言った。

その時大きな物音と共に窓からルネが帰ってきた。

ルネは金色の瞳を見開いて二人の傍に駆け寄る。

「ご、ご主人!ミーナ!大変だよ!!あ、ああアン……!」

ルネはとても慌てていて舌が持つ連れてうまくしゃべれないようだった。

「落ち着け」

ライルがルネの逆立った毛並をそっと撫でてやるとルネは

「アンバード様がこっちに来てる!!」

と爪を立てて言った。