○湖岸
鏡湖の表示が見える。
左手キャンプ場の矢印。
四輪駆動車バンが走ってきて
キャンプ場へと曲がる。

○キャンプ場
バンが走ってきて止まる。
全ドアが開いて6人飛び出し、
後部ドアに集まる。
山下、後部ドアを開けながら、

(山下)「男どもは炭焼きコンロをセット。
女たちはこのクーラーを運んで、
中の肉を串刺しにしてくれ」
(皆)「ハーイ!」

山下、鈴木、山本、バーベキューセットを運ぶ。
悦子、佳子、瞳、クーラーボックスを運ぶ。
悦子、クーラーを開けて、
(悦子)「わっ、すごいお肉」

(佳子)「山下先生、相当張り込んだ」
(瞳)「安い給料なのに」
3人、食材を出しながら笑う。

3人、肉とたまねぎ、ピーマンを串に刺していく。
(瞳)「山下先生いつ田中先生と結婚するんかな?」
(佳子)「えっ、もうプロポーズしたの?」

悦子がきっとにらむ。
向こうで男3人がコンロをセットしている。

(瞳)「この間、中央商店街で2人歩いているの
誰か見たって言うてた。楽しそうやったって」

(悦子)「そんなもん。なかなか結婚なんて
でけんわ。ふん、早う食べよ」

悦子、串を大皿に載せて運ぶ。
瞳と佳子、顔を見合わせる。
男3人、セットを組み立てている。

(山下)「そっちの脚、ちゃんと組んで、鈴木」
(鈴木)「こうですね」
山本、悦子を気にしながら炭を掴みコンロに入れている。

(山本)「炭、こんなもんでいいですか?」
(山下)「ああ、OK」

山下、悦子を見ながら微笑む。
山本、むっとする。
山下、炭に着火する。

(山下)「よしよしこの調子。炭はこのくらいでいい」
瞳が串を持って悦子と並ぶ。
佳子、クーラーからジュースとコップを持ってくる。

(山下)「さあ皆、集まって。適当に座ろう」
コンロを囲んで山下の両脇に瞳と佳子。
瞳の隣が鈴木、その横、山本。
佳子の隣が悦子、そして山本。

佳子、ジュースを紙コップに注ぐ。
(佳子)「先生、はいビール!」

山下、受け取りながら。
(山下)「ビールはないやろ」
(瞳)「ジュースです」
皆笑う。

コップがいきわたり。
(鈴木)「とにかく乾杯しましょう!」
(皆)「賛成!」

皆、コップもって立ち上がる。