なのに。


同じように出会った人に私はまた身体を求められる。


それを何度か続けていく内にそれにだんだんと酔い初めて一時期中毒のようになっていた。


気持ちよくなれてお金が貰える。

こんな良いことがあるだろうか。


バイトをしていない私に取って寝た後に貰えるお小遣いの三万円はそれなりに高価だった。

中毒になっていた時期は財布に入りきらないくらいになっていて一万円札に価値があることもわからなくなっていた。





その頃から私に対する周りの視線が変わった。





一目も憚ることなくお客さんと会っていた私の噂は瞬く間に学校に広まって

元々一匹狼で謎めいていた私の素性をクラスの人は個々に予想し初めて
本当なことも嘘なことも全部それが私となって皆に広まって最後までいくと

組頭の愛人だとか非現実的な噂まで私の印象に加えられてしまった。


そうなればもう私に話しかけようなんて勇者はいない。

生活習慣を変えるつもりもない私とクラスの間にはよりいっそう溝が深まって結局、一匹狼のまま高校を卒業した。






寂しくなんてない。

私には愛はないけれど身体を求めてくれる人がたくさんいるから。







大学生になって風の噂で私を知ったのか、見るからに同類だと察したのかはわからないが

広い地域から集まる大学の中で同業者である佐代子とアユミと出会った。


それからは私の仕事のネットワークは広がって友達と言う存在ができたからか中毒からも解放されて

充実した日々を過ごしていると自負していた。



陰の中でも。