こうした生活を続けて何年経っただろう。

「まじまじ! いきなり呼び出されたかと思ったら3Pしたいとか言って」

「うわっ…それてやっぱ、収入二倍? だったら私もやりたいわ~」

「なわけないじゃん! 私もそれを期待してはいたんだけどさ、なんと二人で割り勘…。 超カッコ悪かった…」

「割り勘かぁ…それはちょっといただけないかな。ね、恵美はどう思う?」


大学に備え付けられた食堂で太陽が昇る真っ昼間から夜仕様の話を持ち出す。

私は定食に添えられたサラダを突っつきながら上目遣いでその二人を見比べた。



「…ん…眠い…」



頭がボーとして余り頭が回転しない。

完全な寝不足だ。


「もぅ、話聞いてなかったっしょ! …てか恵美、眠いって…昨日も仕事したの?」

「えーでも、嘉山さん最近連絡しても出てくれないって嘆いてたよ? 私てっきり生理なのかと思ったけど」

「んー…」


生返事でそれを返す。
眠いと言う言い訳で私は答えを濁した。


佐代子が言っていることは強ち間違ってはいない。
二ヶ月前、久々に会って寝た日から何度か連絡が来ているけれど私はそれを無視し続けて来た。嘉山さんに非はない。

むしろあるとすれば私。

嘉山さんと寝てから数週間後あった出来事が原因で私はそれから一人も客を取っていない。
だから、生理だからと言う訳ではなかった。







最低三日に一回は誰かと夜を共にしてきた私の五年間の習慣は

たった一つの出来事で呆気なくピリオドを打ったのだった。