「あぁ。顔ははっきり見なかったけど、黒い服装とか背格好とか、そっくりだし、間違いない!」
「なんてこった……」
「あの人、泥棒だったなんて……」
マスターとトモアキは、驚いて顔を見合わせている。
だが、俺はひとり、首をかしげた。
「でも、なんでコイツ、小学校の中になんていたんだ?
選挙事務所は、小学校の向こうだから、
そのまま駅の方に逃げた方がよさそうなもんだけどなぁ……」
そのとき、ニュースの続きが耳に入ってきた。
『しかし、逮捕された高橋容疑者は100万円しか所持しておらず、警察では、残りの4900万円の行方を追っています』
「えっ?
4900万、見つかってないのか?」

