8月の宝探し


「彼女の方は、純粋に先生に恋してるだけかもしれないし、そっとしておいてあげられない?」


隣りのトモアキもうなずいている。



うーん、……そういうもんか?

俺としては、同罪なんじゃねーかとも思うけど。

でも、桃香にそう言われて、無視するわけにはいかねぇ。



「いや、もちろん、俺もそう思ってたよ!
教育委員会っつーとこに、うったえてみるよ」


「ありがとう」


「いや、べつに……」



ほんのり微笑んだ桃香に礼を言われ、俺はあわててアイスコーヒーを口に運んだ。


帰ったら、インターネットで教育委員会について、調べてみるか……。