店には、常連の近所のじいさんがひとりいるだけ。 いつもどおり、窓際のテーブルで、本を読みながら、コーヒーを飲んでいる。 俺はいつものカウンター席についた。 俺の右にトモアキ、その右隣に桃香も座る。 マスターは俺の前に来て、小声で聞いてきた。 「……おい、あの子は?」 視線は桃香の方を向いている。 「あぁ、中学んときの同級生。 たまたまホームセンターで会って、手伝ってもらったんだよ」 「へぇ、かわいい子じゃんか。 彼氏いるのか?」 おいおい……。