8月の宝探し


店には、常連の近所のじいさんがひとりいるだけ。


いつもどおり、窓際のテーブルで、本を読みながら、コーヒーを飲んでいる。


俺はいつものカウンター席についた。


俺の右にトモアキ、その右隣に桃香も座る。




マスターは俺の前に来て、小声で聞いてきた。


「……おい、あの子は?」


視線は桃香の方を向いている。


「あぁ、中学んときの同級生。
たまたまホームセンターで会って、手伝ってもらったんだよ」


「へぇ、かわいい子じゃんか。
彼氏いるのか?」


おいおい……。