「五十嵐、用が済んだんなら、俺は帰る」 「え……?」 会長は、止める間もなく、回れ右して帰ってしまった。 「なんだよ、アイスコーヒー、飲んでいきゃいいのに……。 桃香は来いよ!」 「え、あ、うん……」 遠慮がちにうなずく桃香。 俺は桃香とトモアキを連れて、『ミラージュ』に向かった。 「マスター、修理してきたぞー」 『ミラージュ』のドアを開けながら、報告する。 「おう、ちゃんとふさいだか?」 「完璧よ! それより、アイスコーヒー3つ!」