8月の宝探し


「五十嵐、用が済んだんなら、俺は帰る」


「え……?」


会長は、止める間もなく、回れ右して帰ってしまった。


「なんだよ、アイスコーヒー、飲んでいきゃいいのに……。
桃香は来いよ!」


「え、あ、うん……」


遠慮がちにうなずく桃香。


俺は桃香とトモアキを連れて、『ミラージュ』に向かった。





「マスター、修理してきたぞー」


『ミラージュ』のドアを開けながら、報告する。


「おう、ちゃんとふさいだか?」


「完璧よ!
それより、アイスコーヒー3つ!」