「なんだよ! おまえだって、子どもじゃんか!」 「なっ! なんだと? クソガキが!」 後ろ姿に毒づいたが、ソイツはすでに、はるかかなた。 ったく、逃げ足の速いガキだぜ。 「今度見つけたら、タダじゃおかねぇ!」 ブツブツ文句を言っていると、桃香と目が合った。 突き刺すような、冷ややかな視線……。 うわっ、マジかよ! 思わず後ろを向く。 チェッ、あのガキのせいで、桃香に嫌われたじゃねーか! アイツ、ホントに許さねぇ……。