「塾に行くみたいだね」 ビルの上の看板を見て、桃香が言う。 俺はトモアキの顔を見た。 「会長って、今、トモアキと同じクラスだっけ?」 聞くと、ウンとうなずく。 そのとき、トモアキの表情が気になった。 心配そうに、会長を見ている。 「トモアキ、どうした?」 「あぁ、いや……」 「なんだよ、言えよ、気になるだろ」 俺とトモアキの間に、秘密はない。