8月の宝探し


「よっ、桃香じゃねーか!」


いかにも、今来ましたって感じを出して、声をかける。

すると、桃香はビクンと肩を震わせて振り向いた。


「あっ、アツヤ君……。
トモアキ君も……」


「久しぶり! 買い物か?」


「えっ、えっと……」


「なぁ、ひょっとしてヒマしてる?」



桃香は、部長と女の方をちらっと見た。

ふたりが、遠ざかっていくのを見て、うなずく。


「あ、うん、まぁ……」


「よっしゃ!
じゃぁ、ちょっと人助けに協力してくんねぇ?」


「え、人助け?」