8月の宝探し


リュックの中には、会長が100万円ずつ束にしてくれた金が、どっさり入っていた。


会長は、それをテーブルの上に出しながら、話し始めた。



「昨日、『ミラージュ』の2階から下におりる前に、俺、トイレを借りただろ?」


「あぁ、そういえばそうだったな」


「あのとき、アタッシュケースに入ってた金を自分のバッグに入れて、代わりにあの部屋にあった雑誌を数冊、入れておいたんだ」


「マジか?」


「で、アタッシュケースに鍵をかけて置いてきた」


「なんでそんなこと?」


「俺は、基本的に、大人は信用しない」


「あぁ、そっか……」



会長、自分で何度もそう言ってたっけ。