え? 金をすりかえた?
なんの話だ?
わけがわからないから、黙って、ふたりのやりとりを聞く。
「いやぁ、それは心外だなぁ。
俺らを裏切ったのは、マスターの方じゃないですか。
俺は、マスターを試しただけですよ」
『試した、だと?
ガキのクセに、卑怯なマネしやがって!』
「だから、卑怯なのはそっちでしょう?
金を持ち逃げしただけじゃなく、五十嵐を警察に売りましたよね?
逃げるための時間稼ぎだったんでしょうけど、俺ら、あんたを許しませんからね」
『な、なんだと?』
「警察は、金を見つけたのも、持ち逃げしたのも、全部あんたひとりのしわざだと思ってます。
まぁ、そういうふうに仕向けたのは、俺らですけどね。
そろそろ指名手配されてるんじゃないかなぁ?」

