翌朝、9時半。 「ちょっと、出かけてくる」 「え? どこ行くの?」 あー、めんどくせぇ……。 ゆうべも帰ってから、先に帰宅していた親父とおふくろに、詳しく話を聞かせろ、と、夜中まで寝かせてもらえなかった。 会長のシナリオ通りに話して、一応、俺らは金を盗んだりはしていないって納得したみたいだけど、 おふくろの監視の目は、明らかに厳しくなった。 「会長んち」 「会長って、昨日言ってた、生徒会長の沢木君?」 「そ。じゃ、行ってきまーす!」 「ちょっ、アツヤ! まだ……」