そっか。
桃香、俺らに同情してくれたのか……。
やっぱり、桃香は優しい。
ひとの心の痛みがわかるって、すげぇことだよな……。
すると、桃香は夜空を見上げてつぶやいた。
「トモアキ君、大丈夫かな?
さっきまでは、沢木君に言われたとおりにしゃべってただけだし、
アツヤ君を助けなきゃっていう使命感で頑張ってたんだと思うけど、
ひとりになって、家に警察の人に来られたら、不安になってるかも」
言われて、さっきまでのトモアキの様子を思い出す。
たしかに、いつもの、のほほんとしたトモアキとは別人だった。
しっかり刑事たちの質問に答えて、俺のことかばってくれて……。

