8月の宝探し


さすが、会長。


優等生は、ウソのシナリオも完ぺきに作れるんだな……。



「でも、桃香、よくあんなでたらめ、スラスラ言えたな?
最後なんて、涙まで流してさ。
俺、ビックリしたわ」


すると、桃香はペロッと舌を出して笑う。


「あれは、自分でもビックリしちゃった。
でも、しゃべってるうちに、マスターにだまされたのが悔しくて、自然と涙が出てきたの」


「ふぅん、そっか……」


「でもね、私はまだ、マスターとはそれほど親しくないから、自分が悔しいっていうより、
アツヤ君とトモアキ君の気持ちを考えて、悔しかったの。
ふたりは、小さい頃からずっと、マスターのこと、慕ってたんでしょう?」


「あぁ……、まぁな……」