8月の宝探し


「あともうひとり、仲間がいたはずだよな?
その子の名前と住所も教えてもらえるか?」



会長のことだ。


でも、その会長から、俺は、警察になにもしゃべるな、と言われている。


どうしようかとトモアキを見ると、トモアキはスラスラと答えた。



「沢木正義君です。
僕の高校の同級生で、駅の向こうに住んでるんですけど、正確な住所までは、ちょっと。
ケータイの番号でもいいですか?」


「あぁ、教えてくれ」


トモアキがケータイ番号を教えると、若手刑事が戻ってきた。


おっさんは、若手に言う。


「これから、この子の家に行って、親御さんからも話を聞く。
あと、この女性、あやちゃん、というらしいが、至急身元確認!」


「了解しました!」