「あともうひとり、仲間がいたはずだよな?
その子の名前と住所も教えてもらえるか?」
会長のことだ。
でも、その会長から、俺は、警察になにもしゃべるな、と言われている。
どうしようかとトモアキを見ると、トモアキはスラスラと答えた。
「沢木正義君です。
僕の高校の同級生で、駅の向こうに住んでるんですけど、正確な住所までは、ちょっと。
ケータイの番号でもいいですか?」
「あぁ、教えてくれ」
トモアキがケータイ番号を教えると、若手刑事が戻ってきた。
おっさんは、若手に言う。
「これから、この子の家に行って、親御さんからも話を聞く。
あと、この女性、あやちゃん、というらしいが、至急身元確認!」
「了解しました!」

