「それも事実です。
僕とあっちゃん……、じゃなくて、篤也君は、南小の卒業生で、
昔、ここでいたずらして先生に叱られたよね、とか、そんなことを話しながら校舎内を見回っていたので」
これも、ある意味、事実だ。
「なるほどね。それで?」
桃香がまた続ける。
「大金のことなんて、私たちはなにも知りません。
ただ、金網を修理しただけです。
破れている金網を修理することは、いけないことなんですか?
私たちは、近所の子どもたちがケガをしないようにって、それだけを考えて、いいことをしたと思っていたのに……」
桃香は、目をうるませて、おっさんに、そう訴えた。
と思ったら、桃香の目から、ポロリと、本当に涙がこぼれた。
わわわわわっ、マジか!?

