8月の宝探し


ここまでは、事実だ。


そのとき、トモアキが、財布から紙切れを出して、おっさんに渡した。



「これ、そのときのレシートです」



おっさんは、それをサッと見て、若手に渡した。


若手は、それを手帳にはさむ。



「事実のようだな。で?」


「それから、2日から今日まで、私たちは、マスターに頼まれて、校舎内のパトロールをしてました」


「パトロール?」


「はい。
金網を修理しても、まだ子どもたちがどこかから入り込んでるといけないからって。
でも、修理してからは、子どもたちは入り込んでいないようで、私たちもマスターも、安心していたんです」


「ほう……」