ここまでは、事実だ。
そのとき、トモアキが、財布から紙切れを出して、おっさんに渡した。
「これ、そのときのレシートです」
おっさんは、それをサッと見て、若手に渡した。
若手は、それを手帳にはさむ。
「事実のようだな。で?」
「それから、2日から今日まで、私たちは、マスターに頼まれて、校舎内のパトロールをしてました」
「パトロール?」
「はい。
金網を修理しても、まだ子どもたちがどこかから入り込んでるといけないからって。
でも、修理してからは、子どもたちは入り込んでいないようで、私たちもマスターも、安心していたんです」
「ほう……」

