8月の宝探し


――カランコロン。



おっさん刑事、若手刑事、俺、おふくろの順で店に入る。


カウンターに、トモアキと桃香がいた。


俺らを見ると、ふたりとも、イスから立ち上がった。



「君たちかね、五十嵐篤也君の友達というのは?」


おっさんが聞く。


「はい。星野友秋といいます」


「飯倉桃香です」


若手がメモを取っている。


話をするのはおっさん、書くのは若手の仕事みたいだ。


おっさんは、カウンターの中を見て聞いた。


「この店のマスターは?」