8月の宝探し


「えーーーーっ。
だったら、マスターが自分でやればいいじゃんか!」


「俺は店があって、忙しいの!」


「はぁ?
全然、客いないじゃん!」


「うちの常連さんは、重役出勤なんだよ」


「なんだそれ? わけわかんねー」


「とにかく! 毎日、タダでアイスコーヒー飲ませてやってんだろ?
ほら、これ持って、駅の向こうのホームセンター行ってこい!」


「げー、マジか……」





ガックリ頭をたれる俺を見て、トモアキは同情するように笑っている。


でも、手はちゃんとマスターから金を受け取り、行く気満々らしい。