俺が声をしぼり出してそう言うと、桃香は、目を見開いて首を振った。
「信じられない。
アツヤ君、見損なったよ!」
そう言われても……。
俺には、どうしても、この金が必要なんだ!
もうなにも言えずにうつむいてしまうと、トモアキが、フォローするように口を開いた。
「桃香ちゃん、あのさ、もし警察に届けてもさ、落とし主が現れなければ、それって、何か月か後には拾った人のものになると思うんだ。
俺、まえにお金拾ったとき、そうだったから。
だからさ、それが、少し早く手に入ると思えば、一緒じゃない?」
「でも、もしそうなら、逆に、警察に届けても一緒ってことでしょ?
だったら、ちゃんと届けようよ!」
「いや、それはそうなんだけど……」
トモアキは、困ったように、俺の顔色をうかがう。
そんなことは、俺だってわかってるさ。

