「さすが、沢木君だね」 桃香も感心している。 「で、金額、確認してくれたか?」 聞くと、会長は大きくうなずいた。 「あぁ。たしかに4900万、間違いない」 「ヨッシャー!」 これで、トモアキの授業料も払えるし、マスターの借金も返せる! 俺がガッツポーズをした、その直後。 ――カランコロン。 「いらっしゃいませ!」 マスターがにこやかに迎えたのは、常連のじいさんだ。 それを見て、会長が目配せしてきた。