8月の宝探し


トモアキ、待ってろよ!

絶対に、高校卒業させてやるから!



トモアキを見ると、俺の態度の変化を、説明してほしそうな顔で、こっちを見ている。


けど、今はそれより、宝探しだ!

金を見つけないことには、トモアキを助けることはできないからな!



会長が、先に立って、階段の方に向かいながら、聞いてくる。


「だけど五十嵐、南校舎にも、北校舎にも、なかったんだよな?
次は、校庭を探してみるか?
それとも、体育館かプール?」


会長のあとについて、階段を下りながら、考える。


「うーん。もし、俺が犯人なら、隠してるとこを、ひとに見られたくないから、屋内に隠すと思うんだけどなぁ」

「じゃ、体育館に行ってみるか。
倉庫とか、舞台裏とか、隠せそうな場所があるかもしれない」

「あぁ、そうだな」