歯切れの悪い言い方に、飲んでいたペットボトルを口から離した。
「おい、トモアキ。
思ってた、ってどういうことだよ?」
「あぁ、うん……」
ほんの少しためらったあと、トモアキは、上目づかいに俺を見た。
「俺、高校やめて働こうかと思って……」
「は? 高校やめて働く?」
「うん」
「…………」
トモアキ、そこまで思いつめてたのか……。
家の事情を知ってるだけに、うかつなことは言えない。
でも、悔しい。
すると、黙ってしまった俺の代わりに、桃香が、驚きの声を上げた。
「トモアキ君、なんで高校やめるだなんて……?」