ふと見ると、桃香が、トモアキの描いた絵を、うれしそうに会長に見せていた。
「ね、沢木君、見て!
トモアキ君が描いてくれたの!
よく描けてるでしょ?」
「あぁ、うまいな。よく似てる」
ふたりにほめられて、トモアキは照れくさそうだ。
「トモアキ君、プロの絵描きさんになれそうじゃない?」
「そうだな。
そういえば、五十嵐から、ちらっと聞いたんだけど、星野は、イラストレーター志望なんだって?」
すると、トモアキの表情が、さっと曇った。
「あぁ、うん……。
そうなれたらいいなーって思ってたんだけど……」
ん? 思ってたんだけど……?