「持って来たぞー」


会長が現れた。



「おおっ、会長!
サンキュ、サンキュ!」


あわてて、桃香の前から離れ、会長に駆け寄る。

すると。


「ほれ!」


会長は、袋から取り出したペットボトルを俺の首筋にくっつけてきた。


「うわぁっ! 冷てぇっ!」


飛びのいて、会長をにらむ。


「いきなり、なにすんだよっ!」


文句を言うと、会長は、スッと俺のすぐ隣に身を寄せ、

俺にだけ聞こえるように、ささやいた。


「このタラシが!」