あんまりのんびりしてるから、ときどきイラッとくることもあるけど、 でも、コイツ、心底、優しいんだよな……。 だから、なんでもかんでも、ひとりで抱えこんで、ガマンしてんじゃねーかって、 俺もマスターも、心配なんだけど。 と、そのとき。 店の前の通りから、大きな声が聞こえてきた。 『皆様、おはようございます! 加藤たかゆきを、よろしくお願いいたします!』 窓越しに、騒がしい車が通り過ぎていくのが見える。 「なんだぁ? うっせーなぁ!」