8月の宝探し


「どうしたの?」


いぶかしげにこっちを振り返った桃香に、笑顔を向ける。


「いやいや、なんでもない」


そして、トモアキの姿が、俺で隠れるように、体の向きを変えた。


「それよりさー」と、窓の外を指差す。


「こっからだと、会長が『ミラージュ』に入ってくの、全部丸見えだな」

「あぁ、うん、そうだね……」



桃香はまた、窓の外の会長に目を移す。

よしよし。

ちらっと後ろを見ると、トモアキは、おとなしく俺の指示に従い始めたようだ。

スケッチブックに鉛筆を走らせている。


こっちも、OK、と……。