「なぁ桃香、窓から、会長が出てくるの見てようぜ!」
「えっ、あぁ、うん……」
桃香を窓際に誘う。
「おっ、出てきた!
ほら、あそこ!」
昇降口から出てきた会長を指差し、桃香の注意をそちらに向ける。
そして、そのすきに、トモアキを呼び寄せて、耳元でささやいた。
「あそこの棚の上に、スケッチブックと鉛筆があんだろ?」
「うん」
「あれで、桃香の似顔絵、描いてくれよ」
「えぇっ?」
「いいから、早く!
桃香に気づかれないように、会長が戻ってくるまでに描き終えろ!」
「わ、わかった……」
戸惑いつつもトモアキはうなずき、棚の方へ移動した。

