「私だったら……」
桃香は少し間をおいて続けた。
「どこか遠くに行きたいな」
「お、いいな! 世界1周旅行とか?」
「ううん、留学。
先輩のいないところにいって、1年くらい過ごしたら、忘れられるかな、と思って……」
「そ、そっか……」
遠く離れて忘れたい、ってことは、
つまり、まだまだ、忘れるには時間がかかる、ってことだよなぁ……。
まぁ、好きだった人を忘れるなんて、そう簡単じゃないよな。
それくらいは、俺にもわかる。
俺自身、桃香が先輩と付き合い始めたって、キライになんかならなかったし……。
あー、ちくしょー!
苦しんでる桃香をなんとかしてやりたいのに、俺にできることはなんにもないのかよ!

