8月の宝探し



「私だったら……」


桃香は少し間をおいて続けた。


「どこか遠くに行きたいな」

「お、いいな! 世界1周旅行とか?」

「ううん、留学。
先輩のいないところにいって、1年くらい過ごしたら、忘れられるかな、と思って……」

「そ、そっか……」



遠く離れて忘れたい、ってことは、

つまり、まだまだ、忘れるには時間がかかる、ってことだよなぁ……。

まぁ、好きだった人を忘れるなんて、そう簡単じゃないよな。


それくらいは、俺にもわかる。


俺自身、桃香が先輩と付き合い始めたって、キライになんかならなかったし……。

あー、ちくしょー!

苦しんでる桃香をなんとかしてやりたいのに、俺にできることはなんにもないのかよ!