「あの子の絵だった。
私じゃなくて、新しい彼女の絵。
すごくきれいに描かれてた……」
涙声になった桃香を、それ以上見てられなくて、背を向ける。
「そんなヤツのこと、もう忘れろ!
桃香には、もっと似合いのヤツがいるよ、きっと!」
桃香は、なにも言わないけど、気配でこっちを振り返ったのがわかった。
わ、わ、わ、どうする?
そうだ、明るい話に変えよう!
「昨日、会長にも聞いたんだけどさ、桃香だったら、4900万あったら、なんに使う?」
「え……、4900万?」
「おう!
会長はさ、なんとか党に寄付するんだと!
あ、今回盗まれたとこじゃなくて、別のとこらしいぞ。
で、桃香だったら、どうする?」

