8月の宝探し



「バカみたいでしょ?」

「え?」

「自分でもわかってるの。
ふられたんだから、いいかげん、あきらめなきゃいけないって」

「あー、うん……」

「ただね、先輩、付き合ってすぐの頃、言ってくれたの。
私の絵を描いてくれるって。
うれしくて、すごく楽しみにしてたんだ……」



桃香は、窓の方に歩いていき、外に顔を向けた。

窓の外には、工事途中の殺風景な校庭が広がっている。



「ほかに好きな子ができたって言われて、ふられて、でも、すぐには信じられなくて。
だれもいない美術室に、先輩の描いた絵を見に行ったの。
そしたら……」



ギュッと、桃香が窓枠をにぎりしめたのが見えた。