会長は、もう階段を上がりはじめている。 桃香も、最初の教室に入っていくところだ。 やべぇ。 こんなことしてないで、俺も行かなきゃ。 今日こそ見つけるんだからな! トモアキに顔をしかめてみせると、頭を切り替えて、桃香の後に続いた。 しかし……。 「なーんもねぇなぁ……」 昨日と同じく、教室の中はからっぽ。 後ろの棚も、カラなのは一目瞭然。 ほかに、なにかを隠せそうな場所はない。