8月の宝探し



――ザーーー!




「あれ? 雨?」


トモアキが窓を開けると、外はどしゃぶりの雨だった。

灰色に重なった雲から、まさにバケツをひっくり返したように、雨が大量に落ちてくる。



「突然来たな」

「うん、すごい勢いだね。
桃香ちゃんと会長、濡れないで帰れたかなぁ?」

「もうアイツらが帰ってから、ずいぶんたつから、大丈夫だろ」

「そっか、そうだね。
それに、今も雲が動いてるから、通り雨っぽいよ」



トモアキの後ろから、流れていく雲を眺める。

この雲が、最近ずっと続いてる異常なほどの暑さを、持ってってくれりゃいいんだがな……。