――ザーーー!
「あれ? 雨?」
トモアキが窓を開けると、外はどしゃぶりの雨だった。
灰色に重なった雲から、まさにバケツをひっくり返したように、雨が大量に落ちてくる。
「突然来たな」
「うん、すごい勢いだね。
桃香ちゃんと会長、濡れないで帰れたかなぁ?」
「もうアイツらが帰ってから、ずいぶんたつから、大丈夫だろ」
「そっか、そうだね。
それに、今も雲が動いてるから、通り雨っぽいよ」
トモアキの後ろから、流れていく雲を眺める。
この雲が、最近ずっと続いてる異常なほどの暑さを、持ってってくれりゃいいんだがな……。

