「なんだと、コラ! ぶっ飛ばすぞ!」 威嚇して腕を振りげると、ギャーギャー叫びながら、やっと走り去った。 「ったく……。 暑いのに、わめくな。 ますます暑くなんだろーが!」 ブツブツ文句を言いながら、『ミラージュ』に戻る。 そして、いつもどおり、ガラスドアを開けようとしたときだった。 ――ガシャーン! 「いつまで待たす気だ、マスターさんよぉ!」 イスの倒れる大きな音と、怒鳴り声。 とっさに、開けようとしていた手を引っ込め、中をうかがった。