そのとき、ドアの方から声が聞こえた。 「あっちゃん!」 トモアキだ。 後ろには桃香もいる。 「おう! もう、2階まで全部見終わったのか?」 「うん。 3階も、向こうの端から見てきた。 でも、ほとんどの教室がからっぽで、お金を隠せそうなとこなんて、なかったよ、ね?」 最後は、後ろにいた桃香への問いかけだ。 桃香は、ウンとうなずいた。 「そっかぁ。 じゃ、南校舎はハズレっぽいな。 上も収穫なしだったわ」