15人も入れば満席のせまい店内には、今日も客はいない。
夜は知らないが、昼間は、この店が混雑してるのを、俺は見たことがない。
それでも、俺が小学生の頃から続いてるんだから、
それなりに、もうかってはいるんだろう。
カウンターの指定席に着き、マスターに聞く。
「トモアキは、まだ?」
「ああ、そういえば、今日は珍しくアイツの方が遅いな」
星野 友秋(ほしの ともあき)は、俺の幼なじみであり、親友。
そして、マスターの甥でもある。
そんな関係で、俺とトモアキは、子どもの頃から、この店に出入りしている。
店の2階にある、マスターの住居は、昔から俺らの遊び場だ。

