「だから、会長も一緒に……」
「断る」
「えーっ、なんでだよー」
「第一に、本当に小学校に金が隠してあるのかどうか、疑わしい。
五十嵐の推測だけじゃ、骨折り損になりかねない。
第二に、金があったとして、それを自分の物にしたら、それは犯罪だ」
「でも、選挙事務所は、そんな金、最初からないって言ってんだぜ?
だったら、もし金が出てきても、それは誰のもんでもないんだろ?
なら、いーじゃん!」
「そういうことじゃないだろ」
「どうせ、汚い金なら、俺らが有効利用したって、いいんじゃねーの?」
すると会長は、眉をしかめて、トモアキに声をかけた。
「……星野」
「ん? なぁに?」

