大きな機械の光が

花火の残り香が

遠ざかっていく。



『好き』かどうかなんてわからない。



ただ
今夜は
花火の光に微かに見えた
リョージの笑顔を思い出しながら

あったかい気持ちで
あたしは眠る。



安心して

ぐっすり眠れる。







こうやって人は
心を動かされて

堕ちていくのか。



どんなに痛くても

どんなに怖くても

自分の気持ちに正直になるコトで

優しくなれるような

そんな気がする。



思い出せてよかった。



思い出させてくれて

ありがとう。





リョージの笑顔でほどかれた

強がりで
意地っ張りで
臆病なあたしの心は



優しい気持ちで



明日に向かう。