1袋ずつ包装された手持ち花火をほどくには
あんまり暗くて手元が見えないので
車のライトを付ける。


やっぱり花火を振り回してしまうのは
きっと誰もがやってしまうコト。

早く振って丸を書いたり…

地面に近づけて文字を書いてみたり………

子供の頃と
するコトは変わってない。





「何食ってんのおまえ」

「ん??チョコレート」


花火片手にチョコレートを食べるあたしを見て
リョージはまた嬉しそうに笑う。


「おっまえ………忙しいなぁ〜」



ほら

まただ。



どうしてこの人は

こんなふうにあたしを見るんだろう。





最初からそうだった。



そんな愛おしそうな目で

あたしを

見ないで。