聞き間違えた、かな?
『大丈夫っ!いくらママさんが亜稀ちゃんに似てたって本物の亜稀ちゃんには敵わないもん!』
そう言ってドヤ顔をしてまるで
まるでまかせとけ といわんばかりに胸を叩いた室井くんに
「………ふはっ」
吹き出してしまった。
室井くんは不満げにこちらを見てくるがそんなの関係ない。
久々につぼったのだ。この笑いを止められるわけがない。
「む、室井くんっ、ごめんだけど、ふふっ、それは、ふっ、ないかな、あははっ」
『あっ、亜稀ちゃん!ひどい!』
そう言って涙目になりながら訴えてくる室井くんは、
……………ちょっときもい。
笑いが治まった私は真顔で
「室井くん、きもい。
第一、こんな朝っぱらから私の横で泣いてたらなんの修羅場かと思われるじゃない。」
あくまで冷静にそう言い放つと、ぐっと涙をこらえ始めた。
その姿がかわいくて、少し萌えてしまったのは秘密だ。
