ああ、また速水君。

なんだかんだいって近くにいたりする。

「邪魔です。」

ボールなんて横から取ればいいのにね。

変な人、と思いながらも半分無視で退く。

いつもなら、嫌だとか言うから不審に思ったのか

こっちを見てくる。

そして近づいてきて。

わざとらしく足を踏まれて、堪忍袋の緒がキレた。

「後輩なら大人しく横からボール取ってなさいよ!」

そして続ける。

「速水君が私を嫌いなのは分かった。嫌いなら喋りかけないでよ!」

大声を出したら人が集まるから、通常の1,5倍でおさめた。