「教える義理がありません。」

はぁ?一応、私、先輩ですけど?

結局、速水君は何もせずに出て行った。

あんな後輩なんて大嫌い。

意味分からない。

ボールを出すと、最初に遥が来てくれた。

「ありがとね!」

マネージャーだから当たり前なのに。

遥はちゃんとお礼を言ってくれる。

「どういたしまして。」

速水君とは違って、ね。

去っていく彼の後姿を眺めてしまう。

「何見てるんですか。」

「どうだっていいじゃない。」