ステッカー

後部座席のドアが閉まる直前で、私はまたあのステッカーと目が合った。

そして悟る。

そうか…。

あのステッカーは『監視』しているんだ…。

街を、行き交う人々を、そして私を…。

何の目的なのか、誰が監視しているのかは分からない。

だけど知らず知らずのうちに、私達は見張られているんだ。

歩いている時も、立ち止まっている時も、食事している時も。

もしかしたら着替えたり、お風呂に入っていたり、用を足している時でさえ。

私達は得体の知れない誰かに、じっと見られているんだ。

そしてあのステッカーを剥がそうとした者は、私みたいに…。