で、海斗の持ち前の明るさと人懐っこさで、わたしも海斗と仲良くなった。
で、何かと席が近くなるんで、休んだ次の日の予定を教えてもらう役になってしまった。
まあ、大きく括ってしまえば同業者だし。
わたしはヘッドフォンをして、再生ボタンを押した。
途端に流れ込んでくる、勢いのある声。
息継ぎの音だってハッキリ聴こえそうだ。
あの性格に合っている。
しかも、おとなしくなれば物凄いカッコイイ声になる。
この声が、好きだった。
ネット上では“高校生”とだけ言っていて、去年までは“学生”だったからまあわからないだろう。
ちなみに、『椎斗』というのは、『海斗』の海を英語(sea)にして漢字に変換して、斗をつけただけだそうだ。
わたしは椎斗の声を聴きながら、明日の段取りを確認した。


